2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530056
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宇藤 崇 Kobe University, 法学研究科, 教授 (30252943)
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Keywords | 準抗告 / 権利救済 |
Research Abstract |
本研究の目的は,捜査段階で生じる処分対象者に対する不当な権利の侵害・制約につき,対象者にとってより直接的かつ適切であり,また刑事司法全体の運営の中で効率的かつより負荷の小さい権利救済手続を構想する上で,不可欠な理論的基盤を獲得することにある.その研究手法として,行政事件訴訟法や行政手続法といった隣接制度との比較等を採用してきた. 本年度は本研究の最終年度にあたるため,(1)行政法上制度との比較・検討,(2)立法論の基盤整理に軸をおき,今後の研究のための基礎を固めることを目標とした.具体的には,捜査のための強制処分の法的規律のあり方を,行政作用法における処分の規律のあり方と比較・検討し,刑事訴訟法の予定する規律対象としての「強制」処分概念には行政法上の理解と相違点はあるものの,行政機関による権力作用であることに伴う規律という基本的な視角において多くの共通性があるということを指摘した.このように捜査法上の強制処分の規律のあるべき方向性を確認した上で,事前手続・事後手続を含む行政手続のあり方との異同を明らかにすべく検討を進めている.今後は本研究で得た成果を公表すべく作業をしていく.
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Research Products
(1 results)