2008 Fiscal Year Annual Research Report
競争秩序と消費者-消費者の目線に立った実効的市場ガバナンス制度の構築-
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19530061
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
池田 清治 Hokkaido University, 大学院・法学研究科, 教授 (20212772)
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Keywords | 契約締結上の過失 / 契約準備段階 / 消費者団体 / 制度的契約論 |
Research Abstract |
本研究では、消費者の目線に立った市場規制のあり方を、法的な観点から検討し、最終的には実効的な市場ガバナンス制度の構築を試みるものである。 本年度は、当初の予定通り、次の3つの観点から検討を進め、成果を上げた。 第1は、商品特性に応じた市場規制のあり方を検討した。これについては、池田清治・特定商取引における消費者と企業-既履行役務の対価をめぐって-(NBL872号18-19頁)があるほか、契約締結過程一般に関わる論稿としては、次頁の業績の第1、第3の以外にも、池田清治・契約準備段階における信義則上の注意義務違反(私法判例リマークス36号30-33頁)、同・暫定的合意の効力(商法〔総則・商行為〕判例百選〔第5版〕110-111頁)、同・カーボン複写による自筆証書遺言と自書の要件(家族法判例百選〔第7版〕166-167頁)がある。 第2は、金銭的給付請求の機能と損害賠償請求権について検討を加え、消費者団体による団体訴訟のほか、課徴金制度や父権訴訟にも視野を広げ、この3つの制度の関係について見通しを得た。これらの諸制度は、現在、国会で審議沖の消費者庁法案とも関連するものであり、衆議院・消費者問題特別委員会の地方公聴会(札幌)において意見陳述を求められていることから、その場で知見を示したいと考えている。 第3は、規制の主体としての消費者及び消費者団体に関する検討で、特に市場において消費者が果たすべき役割については、訴訟手続のみならず、行政手続、より具体的に言うなら、行政不服審査法の改正問題も関連している。この点については、09年2月に開催されたシンポジウムでコメンテーターを務めたさいに指摘し、09年度中には公表される予定である。 そのほか、制度的契約論についても検討を加え(次頁の業績の第2のもの)、さらに研究の幅を広げると同時に、深化させることができた。
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Research Products
(3 results)