2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530064
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂田 宏 Tohoku University, 大学院・法学研究科, 教授 (40215637)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 彦壽 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10374878)
|
Keywords | 詐害行為取消権 / 相対効 / 多数当事者訴訟 / 被告適格 / 必要的共同訴訟 / 訴訟告知 / 民事執行法 / 倒産法 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に得られた知見に基づき、大審院連合部判決明治44年3月24日によって導入された詐害行為取消権の相対効構成は解釈論として必然のものではなく、実際の事案を解決するうえでは民事実体法上も民事手続法上も多くの問題を生じる障壁となっていることを前提として、具体的事例について研究を継続した。また、民事訴訟法における既判力論・当事者参加の権威である上野泰男早稲田大学教授より、専門的知見を賜る機会も得ることができた。その結果を雑誌論文・石井=坂田「詐害行為取消訴訟を提起された被告が取るべき防御方法に関する考察」(仮題)に著す予定である。 雑誌論文・石井=坂田「詐害行為取消訴訟を提起された被告が取るべき防御方法に関する考察」(仮題)は、金融機関が債務者から代物弁済として債権譲渡を受けた行為が詐害行為に当たるとして、詐害行為の取り消しと取り立てた金員の支払請求を複数の一般債権者から受けた事例において、解釈論上金融機関が取り得る、解釈論上最善の防御方法を考察するものであるが、その過程において詐害行為取消に関する判例・学説の問題点並びに実体法と手続法とのリンクの不備やその解決策等を考察・検討するものである。なお、本論文は、東北大学大学院法学研究科の紀要「法学」に掲載される予定であるが、掲載希望多数のため、2010年4月刊行号となっている 青山善充先生古稀祝賀論文集『民事手続法学の新たな地平(2009年4月下旬刊行予定)』に掲載された雑誌論文・坂田「訴訟告知の効力に関する-断章」は、このような諸問題のうち、当事者とされない詐害行為を行った債務者本人につき、民事訴訟法53条4項の訴訟告知によって、当該訴訟の効力を及ぼすことができるかという問題を取り上げ、訴訟告知制度一般からの考察したものである。
|
Research Products
(1 results)