2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530071
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松川 正毅 Osaka University, 高等司法研究科, 教授 (80190429)
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Keywords | 親権 / フランス法 / 2002年の親権法改正 / 子どもの保護 |
Research Abstract |
平成19年度は、フランス2002年の親権法の改正について、文献収集と立法の情報整理につとめた。改正法概略は、ほぼ描くことができた。大阪家庭裁判所の研究会(平成19年6月22日)にて、フランス親権法について口頭発表を行っており、また、フランスにて平成20年3月、比較法的な観点から報告をする予定である。これらの経験をもとに、次年度に論文として、立法についてまとめる予定である。 フランス民法の親権に関する規定は、2002年の改正により、新しい精神のもとで、新しい時代に入ったといえる。1)今まで、親に影響される存在としての規定であったが、民法典の独立の章で、親の生き方に影響されない理念のもとで、規定されるに至った。例えば、離婚後の共同親権の原則化の採用と強化。このことの、法的な重要性を理解し得たことは大きな収穫である。2)また、さらに、いかなる場合にも、共同親権を原則として採用しており、親の婚姻関係の有無に子は影響を受けず、共同親権を原則としている点において、新しい時代を示していると言える。この二点が改正の基本をなしており、これらのことがらを立法上明らかにしえた。この重要性について、フランスでの口頭発表を経て、論文にまとめる予定である。 法曹の役割に関しては、主として弁護士の役割の重要性に関しては、情報を得たが、より重要な役割を担っている存在として裁判官や、調査官の存在が指摘されており、この点の理解は、まだ充分ではなく次年度の課題として残っている。
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