2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530071
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松川 正毅 Osaka University, 高等司法研究科, 教授 (80190429)
|
Keywords | 親権 / 後見 / 親子法 / フランス法 |
Research Abstract |
本年度は、フランスでの情報収集と整理を中心に作業を行った。また、同時に、研究領域(主として親権の領域)で活躍している裁判官や弁護士、子供の権利保護の団体の責任者などとも面会し、現状の理解と日仏の考え方の相違を体得した。 引き続き立法の動きに留意しながら資料収集を図っている。 今年度の成果として、本研究の一つである親権法の土台となるフランス親子法の2005年の改正について、原稿をまとめ、有斐閣から医学の発展と親子法の中に原稿を入れて発表した。親子法の改正が、親権法に影響を与えているので、この改正の意味を探求した。嫡出子、非嫡出子という概念を取り払ったことから、親権に関する法律も、かつての立法を完成させるようにして嫡出、非嫡出で全く同じになったことを指摘した。今後、この視点をベースにして、フランス親権法について来年度9月頃をめどに原稿をまとめる予定である。 離婚後の共同親権について研究対象をしぼり、その実現に法曹がどのような役割を果たしているのか、書物には現れてこない現状分析に困難を感じている。フランス法のもとでの、意識はほぼつかめたので、活字にする作業に力を入れていく。 後見法に関しては、フランスのブザンソン大学のフィリップ教授編集の成年後見に関する本に、研究の成果を発表する予定で進めている。この分野での法曹の役割は、かつての公証人から、民間の援助機関へと移行している。この事実が、2007年の後見法改正と関連しているのかどうか研究を行っている。後見に関しては、本年度は文献研究を主として行った。
|