2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530075
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
岡 孝 Gakushuin University, 法学部, 教授 (10125081)
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Keywords | 役務提供契約 / 委任任契約 / 成後見制度 / 法定後見 / 任意後見 / 東アジア比較民法 / 台湾:韓国:中国 / 日本民法改正 |
Research Abstract |
今年度は、主に法定後見を含む成年後見制度の比較法的研究をおこなった。(1)2008年5月に台湾の民法中成年監護制度(成年後見制度)が改正されたので(施行は2009年12月)、台湾法務部法律事務司司長張清雲氏に新法の解説を論文形式で依頼し、その翻訳などをもとにして「台湾における成年後見制度の改正について」という論文をまとめた。(2)6月14日科研費研究会(東アジア比較民法研究会。代表は岡)と学習院大学東洋文化研究所の共催で、「東アジアにおける成年後見制度の将来像」と題するミニシンポジウムを行った。台湾、韓国から研究者を招聘し、中国法、日本法の報告も踏まえて、比較法的検討を行った。(3)12月20日には同じく東文研との共催で、「国際シンポジウム・東アジアにおける成年後見制度」を開いた。台湾からは裁判官と法務部の立案担当者、韓国、中国からは研究者を招いて、さらに詳しく成年後見制度の比較をおこなった。この(3)の報告原稿は、2010年3月末刊行予定の「東洋文化研究12号」に特集として掲載する予定である。上記(1)の成果は、2009年2月刊行の『東アジア私法の諸相』(東洋文化研究叢書。勁草書房)に収録されている。台湾、韓国、中国では任意後見制度の導入は将来の課題であり、上記のシンポジウム等を通して立法のさいの問題点を指摘できた、と思う(詳細は上記論文参照)。このような交流を通して、2009年秋には台湾から任意後見制度、委任などを含めた日本民法改正の問題点について報告をするよう要請されている。(2)の報告原稿は、来年度末の研究成果報告書に参考資料として添付する予定である。
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Research Products
(1 results)