2008 Fiscal Year Annual Research Report
日韓両国の都市における省資源・資源循環施策に関する総合的比較研究
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19530090
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
生野 正剛 Nagasaki University, 環境科学部, 教授 (80128149)
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Keywords | 資源循環型都市づくり / 廃棄物政策 / 廃棄物発生抑制 / 拡大生産者責任 / 韓国の生産者責任制度 / 使い捨て用品使用規制 / 過剰包装規制 / 日本における容器包装・家電リサイクル制度 |
Research Abstract |
日韓両国の廃棄物政策では、廃棄物発生抑制および分別収集を通じたリサイクルの推進による廃棄物減量化と資源節約を目指す方向性で共通している。したがって、共に、廃棄物管理政策の優先順位も、(1)廃棄物発生抑制、(2)再使用、(3)リサイクル、(4)サーマルリサイクル、(5)焼却とされている。また、製品の廃棄物段階にまでリサイクルなどの廃棄物管理の責任を生産者に課すという拡大生産者責任を、日本では、容器包装および家電リサイクル法等で、韓国では生産者責任制度で導入し、製品の設計・製造段階からの廃棄物発生抑制・減量化・リサイクル推進・省資源を目指している。しかし、それらの政策を推進するための具体的な仕組み・制度において、韓国と比較して日本では廃棄物発生抑制の仕組みが弱いという点で相違がある。 すなわち、日本の容器包装・家電リサイクル法では、生産者の費用負担が少ない等の理由で、生産者に対する、設計・製造段階からの廃棄物発生抑制へのインセンティブが弱く、大量リサイクル推進策に終っている。また、韓国では、製品となっても、使い捨て用品使用規制および過剰包装規制によって、廃棄物の発生を抑制し、製品購入後にはごみ従量制(有料化)によって廃棄物の減量化を図るという具合に、廃棄物の発生抑制、減量化に向けて諸制度が有機的に結びつけられている。一方日本では、各個別リサイクル法におけるリサイクルの義務付けを除けば、他の廃棄物発生抑制・減量化・省資源は事業者の自主的取組みとされており、ごみ有料化やレジ袋有料化の実施も各々地方自治体や事業者の判断に委ねられている。この相違によって、韓国では、一般廃棄物の減量化に一定程度成功しているが、日本ではリサイクルは進んだとしても、排出量は依然として横ばい状態である。
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