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2009 Fiscal Year Annual Research Report

児童虐待における家族支援法システムの再構築-ジェンダーに敏感な視点から

Research Project

Project/Area Number 19530092
Research InstitutionBukkyo University

Principal Investigator

若尾 典子  Bukkyo University, 社会福祉学部, 教授 (70301439)

Keywordsジェンダー / 親密な関係 / 暴力
Research Abstract

子ども虐待への対応を「ジェンダーに敏感な視点」(以下、ジェンダー視点という)から検討することが、課題である。今年度は、研究状況の整理と事例検討という作業に取り組んだ。第一に、DVへの対応の進展に伴って浮上している課題を検討した。とくにアメリカなど英語圏の研究状況に注目し、ジェンダー視点の問題状況を探った。一つは、DVにおける加害者への取組として、加害者に対し、強制逮捕や研修義務化が実施されている点である。その是非・方法をめぐり、ジェンダー視点の有効性が争点となっている。いま一つは、DVと子ども虐待の関連が注目されてきており、包括的取組が進展している。ここでも、ジェンダー視点の有効性が問題となっている。したがって、研究でも現場でも、第一段階(DVを社会問題化する時点)で、ジェンダー視点の果たした有効性は広く確認・共有されているが、第二段階(加害者への取組や子ども虐待とDVへの包括的取組)のいま、ジェンダー視点の有効性が再検討されていることが明らかになった。ジェンダー視点の射程を明確にすることが、重要な課題である。第二に、日本の問題を検討した。日本では、第二段階、すなわちDV加害者への取組や子ども虐待とDVへの包括的取組が遅れている。この背景を検討するにあたり、一つは家族政策を取り上げた。すなわち、児童扶養手当法を素材に、日本における近代家族政策は積極的な維持・強化ではなく、消極的な容認・放任にとどまる特質をもつことを明らかにした。いま一つは、憲法研究において無視されてきた上杉慎吉『婦人問題』を取り上げ、日本の憲法学において上杉の著作を例外として、近代家族の問題が回避されてきたことを明らかにし、日本の家族政策の特質と対応している点に注目した。この近代家族の消極的容認・放任という政策・研究状況をふまえ、ジェンダー視点にたつ母親による子ども虐待事例の検討を行った。

  • Research Products

    (5 results)

All 2010 2009

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 憲法からみた社会保障法におけるジェンダー平等2010

    • Author(s)
      若尾典子
    • Journal Title

      ジェンダーと法 7号

      Pages: 1-14

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 安保条約と社会-沖縄の女性の経験から2010

    • Author(s)
      若尾典子
    • Journal Title

      法律時報 増巻

      Pages: 174-181

  • [Journal Article]2010

    • Author(s)
      国際女性の地位協会編(若尾典子)
    • Journal Title

      コンメンタール 女性差別撤廃条約(尚学社)

      Pages: 152-165

  • [Presentation] 憲法からみた社会保障法2009

    • Author(s)
      若尾典子
    • Organizer
      ジェンダー法学会
    • Place of Presentation
      神奈川大学
    • Year and Date
      2009-12-06
  • [Book] グローバリゼイションと人権(仮題)2010

    • Author(s)
      大久保史郎編(若尾典子)
    • Publisher
      日本評論社(掲載確定)

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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