2007 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀フランスにおける「共和国モデル」の形成の研究
Project/Area Number |
19530095
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
北川 忠明 Yamagata University, 人文学部, 教授 (00144105)
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Keywords | フランス / 共和国モデル |
Research Abstract |
平成19年度は、研究計画にしたがい、フランス革命期のJ.-P.ブリッソ、コンドルセ、D.ド・トラシたちイデオローグを、彼等が、ルソー=ジャコバン・モデルとローマ共和政モデルからどのように脱却しようとしたかを、検討した。この過程において、以上の思想家の研究の前提としてヴォルテールと共和主義という問題を、モンテスキューやルソーとの対比においてまず扱うことにし、未刊行であるが、論文「ヴォルテールと共和義」にまとめる作業を行った。次いで、J.-P.ブリッソ、コンドルセの共和主義思想、さらにイデオローグたちのフランス共和国モデル形成への影響を扱った論文を刊行予定である。 また、この間、日本政治学会において「フランス共和国モデルの現在」と題する報告を行った。この報告では、フランス共和国モデルの再検討の動向を紹介しつつ、19世紀におけるフランス共和主義を思想史的に検討し、さらに、共和国モデルと植民地帝国との関係、今日のフランスにおけるライシテと移民の「統合」問題等のテーマを扱った。いわば、本研究のエッセンスにあたる部分をコンパクトにまとめた報告を行ったことになる。
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