2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 淳子 The University of Tokyo, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (00251314)
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Keywords | 認知 / 幾何学モデル / イデオロギー / 政策 |
Research Abstract |
政治学においては、政治的立場の相違に関する実証的データの蓄積があり、政治的決定や競争の分析に用いられてきたが、人間の認知の観点からの分析はなされなかった。一方で、認知心理学・認知科学においては、対象の相違や類似の認知の分析は重要なテーマであり、特に意味に関わる類似や相違は、知的活動を前提とする重要な研究テーマであったが、分析に適するデータは存在しなかった。本研究はこの間隙を埋める学際研究を目指していたが、それゆえに研究成果をどのように異なる分野の研究者に伝えるのか、ということは大きな課題であった。本年度は、イェール大学で、同大学の認知科学者及び社会科学者と組織したシンポジウム"Mind, Brain and Society: Neurocognitive Approaches to the Social Sciences"(http://www.yale.edu/tyi-symposium2008/)における発表及びその際の質疑応答が非常に有益であった。ここにおいて、実際の政治的立場のデータを多次元尺度法により分析した結果を、認知科学者・社会科学者の問題関心という観点から二つにわけ、発表する必要があることを理解できた。分析結果の解釈・議論を、認知科学・社会科学の専門論文の関心領域と形式に合致する形でどのように行うかを考察し、年度末までで、実際の論文の執筆を開始することができた。
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Research Products
(1 results)