2007 Fiscal Year Annual Research Report
改革の後に何が起こったのか?-市町村合併の政治的・行政的効果の研究
Project/Area Number |
19530103
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
真渕 勝 Kyoto University, 法学研究科, 教授 (70165934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 岐夫 学習院大学, 法学部, 教授 (80025147)
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Keywords | 市町村合併 / 政策実施 / フィールド調査 / 事例研究 / 計量的研究 |
Research Abstract |
平成19年度の研究計画の柱は、次の4つを立てた。 (1)先行研究の吟味、(2)対象とする12市の選定、(3)測定対象の選定、(4)パイロット調査 このうち(4)は、(2)および(3)に吸収されているので、以下では(1)から(3)までについて、19年度に行った調査の結果を述べる。 (1)先行研究の吟味合併に関する諸研究、とりわけ、『政策実施過程における負担と関与のあり方に関する調査研究結果報告書』(以下、先行研究)を丹念に検討した。政策の立案から実施にいたる過程について学び、本研究と対比させるポイントを析出した。 (2)対象とする12市の選定 選定に際して、首都圏の研究者から助言を得た。また、先行調査市おける調査に実際に従事した者にインタビューを行った。 (3)測定対象の選定 合併の政治的・行政的効果の測定は総合的であると同時に具体的でなければならない。 (1)総合的な測定-これまでとられた手法は、多数の市を少数の変数を用いて処理するというものであった。このようなアプローチは、サンプル数の多さによって計量的な研究の体裁を整えてはいるが、変数の選択、すなわち何を測定するかの検討は不十分であった。そこで本研究では、Robert D.PatnumがMaking Democracy Workのなかで行政パフォーマンスの測定に際して行ったように、比較的少数の市の実態に深く入り込むことによって、合併の効果を測定するうえで効果的な変数は何かを探索した。 (2)具体的な測定-政策の立案や実施における合併の効果を測定するために、公営住宅事業、老人福祉行政、保育所行政および農地転用の4つの事業を選んだ。理由は第一に先行研究において、詳細な記述がなされていること、第二に前の3つの政策は福祉的性格をもち、財政再建が中央地方において重要な課題となっている現在においてもなお重要な政策であることである。
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