2009 Fiscal Year Annual Research Report
官邸主導時代の審議会の研究:「小さな政府」を志向する多数派支配型の政策過程
Project/Area Number |
19530114
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
三浦 まり Sophia University, 法学部, 准教授 (80365676)
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Keywords | 審議会 / 政策過程 / 官邸主導 / 小さな政府 / 規制改革 / 多数派支配型 / 合意形成型 |
Research Abstract |
本年度は主に3つの活動を行った。第一に、引き続き資料収集・整理を行った。新たな政策分野としてジェンダー平等政策を付け加え、男女共同参画審議会の文書を整理し、ケース・スタディを行った。ジェンダー平等政策は、本研究が対象とする新自由主義的政策とは異なる基調の政策であるが、しかしながらジェンダー平等政策が新自由主義と親和性を持つ形で進められたことを明らかにすべく、資料収集を行い、その解明に努めた。 第二に、分析結果の一部を英語で執筆した。本研究を含む形で日本の福祉国家の特徴とその変遷をアイディアの政治の観点から分析する本を執筆することとし、本研究と成果として今年度は3章執筆した。保守主義の政党支配がどのように福祉国家の性格を規定したのか、労働市場政策の面では90年以降新自由主義的改革が進められたが、それはどのようなアイディアによるものだったのか、日本の労働市場改革は国際的には中程度の進展しかしなかったものの、なぜ貧困問題が顕在するようになったのか、さらに改革主体ののっである経営者はどのようなパラダイム変換によって改革を推し進めようとしたのか、経済のグローバル化はどのようにパラダイム転換と関連するのかについて分析を行った。 第三に、ジェンダー平等政策に関しては、ジェンダー法学会のプレ企画にて「なぜ女性の貧困は進むのか:労働政治から読み解くジェンダー・ポリティックス」と題する講演を行った。口頭による報告だったが、これを元に来年度のジェンダー法学会大会で報告し、さらに論考を執筆する予定である。
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