2007 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化の下での韓国の地域社会の変容に関する研究
Project/Area Number |
19530121
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
文 京洙 Ritsumeikan University, 国際関係学部, 教授 (70230026)
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Keywords | 韓国 / コミュニティ / グローバリゼーション / 比較 / 住民自治 / 済州島 / 特別自治道 / まちづくり |
Research Abstract |
平成19年度は、韓国での地方自治や住民参加についての今日の議論の水準を確認するための資料蒐集、インタビューなどを実施した。とりわけ済州島では、夏期、及び春期の現地での調査を通じて、済州大学校東アジア研究所拠点に同大学が委嘱を受けた「国際自由都市計画」の立案と論議の経緯、地方行政の考え方、住民運動や地方言論の対応などを調査した。済州島では、19990年初めの「済州道開発特別法問題」をめぐる調査・インタビュー対象機関や住民運動関係者、自治体関係者に引き続き調査・インタビューを実施し、この間の変化と特別自治道への移行をめぐる政治的なプロセスと議論について調査した。 以上の調査によって、(1)済州島の特別自治道への移行がグローバル化への済州島なりの対応を現していること、(2)特別自治についてのイメージや方向が中央政府・地方行政・住民の各レベルで相当に異なること、(3)基礎自治体廃止による問題が当初の想定以上に深刻に吹き出していることなどが明らかとなった。こうした調査結果は、今後の韓国全体の住民自治の動向や地域づくり・再生の方向を占う上で重要な意味をもつと思われる。 以上の調査・研究は今年度の追加的な調査をくわえて論文としてまとめる予定であるが、すでにその成果の一部は単著『済州島四・三事件:「島のくにの」死と再生の物語』(平凡社)の後半(第4章及び終章pp.149〜220)に反映されている。
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