2008 Fiscal Year Annual Research Report
アジア型の紛争予防と平和構築に関する分析と考察-東南アジア地域の紛争を事例にして
Project/Area Number |
19530126
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Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
山田 満 Toyo Eiwa University, 国際社会学部, 教授 (50279303)
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Keywords | 平和構築 / 紛争予防 / 東ティモール / 南タイ / イスラム問題 / IDP / ASEAN / 宗教問題 |
Research Abstract |
平成20年度の実施計画にそって、東ティモールと南タイの現地調査を行った。ミンダナオの調査を考えたが、フィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)との停戦が崩れ、紛争状態にあったため、調査の延期を行った。しかし、ミンダナオに関しては、外務省の平成20年度21世紀パートナーシップ招聘事業「フィリピン・イスラム宗教学校教師招聘」歓迎レセプション(11月)に参加して、ミンダナオ地域のイスラム教師らとの意見交換、及び情報ネットワークを構築することができた。また、9月に南タイのイスラム問題を調査するために現地に入った。現地では現地の人権弁護士、NGO、大学研究者への聞き取りを行った。平和構築の定点調査を実施している東ティモールには、2009年3月に入った。グスマン首相、ダ・コスタ外相の訪日直後の日程でもあり、また東ティモールの2012年のASEAN加盟問題もあり、その点も含めて、ダ・コスタ外相、ピント対外関係担当総局長、アラウジョ国会議長、マイヤ東ティモール国立大学副学長、ペレーラ政治学部長などとの意見交換、聞き取り調査を行った。東ティモールの現状は、2006年の騒乱後の諸問題、IDP(国内避難民)の帰還、元ファリンティル兵士の処遇問題、国家警察のスクリーニングが終わり、安定した社会秩序が戻りつつある。また、オーストラリアとの共同開発鉱区からの天然ガス・石油収入も入り、国家歳入も安定的に入りだし、今後は安定した雇用創出が課題になっている。補助金最終年である平成21年度の調査では、東ティモール、アチェ、南タイ、可能であればミンダナオの調査を実施して、紛争予防と平和構築の比較と総括を行い、研究成果を出したい。
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Research Products
(4 results)