2009 Fiscal Year Annual Research Report
地域統合組織の加盟国国内政治に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
19530134
|
Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
五月女 律子 The University of Kitakyushu, 法学部, 准教授 (50326526)
|
Keywords | スウェーデン / EU / 地域統合 / 国内政治 / ヨーロッパ / 政党政治 / 対外政策 / 国際関係 |
Research Abstract |
本年度は、欧州議会選挙を中心に、地域統合組織が加盟国国内政治に及ぼす影響の分析を行った。現地調査の前に、欧州議会選挙に関する資料、文献を収集し、欧州議会選挙期間中の5月下旬から6月上旬にかけてスウェーデンを中心にヨーロッパ諸国に赴き、各政党の実際の選挙活動と国民の反応を考察するとともに、各種資料を現地で収集した。10月に発表した学術論文では、スウェーデンで2009年以前に行われた欧州議会選挙の結果を踏まえつつ、2009年の欧州議会選挙を分析し、既存政党への不満や候補者個人の人気が反映される特徴があることを明らかにした。また、国政選挙で議席を獲得していない新政党が多くの票を得ることがあるものの、欧州議会であっても新政党は議席を継続して獲得することが難しいことを提示するとともに、2009年の選挙ではインターネットに対する規制に反対する「海賊党」が議席を獲得した背景を分析した。 同時に、7月から12月にかけてスウェーデンが2009年後半のEU議長国となったため、9月にスウェーデンに赴き、会議開催の状況やスウェーデン国民の反応について、現地での考察を行った。その際には、現地の図書館、書店等で各種資料や関連文献を収集した。EU議長国であった期間は、スウェーデン国内のマスメディアにおいてEU関係の報道が数多くなされていたが、前回議長国担当時にデモ隊と警察の衝突があったため、会議開催場所近辺の道路の封鎖や立ち入り禁止など厳しい警備が行われたこともあり、概して国民が高い関心を持てるような状況とは言えなかった。これらの調査結果については、平成22年度中に学術論文として発表予定である。
|