2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本・中国・韓国を中心とするガバナンス形成に向けた機能的協力に関する研究
Project/Area Number |
19530144
|
Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
吉松 秀孝 Ritsumeikan Asia Pacific University, アジア太平洋学部, 教授 (90300839)
|
Keywords | 北東アジア / 地域ガバナンス / 機能的協力 / 環境保全 / 情報通信 |
Research Abstract |
年度の前半は、機能的分野における日中韓での協力について、北東アジア地域の特性を勘案した地域ガバナンス形成の理論的枠組みの精緻化を図った。その上で、環境保全、情報通信という2つの分野での具体的な協力実態に関する実証データを収集するために、国内の関係省庁、関連民間団体へ聞取調査を実施した。また、中国での現地調査を実施し、中国環境保護部関係者、日中友好環境保全センター、能源研究所、中国ソフトウェア産業協会などを訪問、協力の実態や問題点などを精査した。聞取調査を通して、環境保全については90年代の政府主導の単線的・援助型協力から2000年以降の非国家アクターの実質的関与を図る形での包括的・協働型協力へと変容していること、特に日中間において省エネ分野を視野に入れて協力が深化していることが確認された。また、情報通信分野においても政府主導の技術開発から国際コミュニティへの貢献へと協力の力点が変化していることが確認された。本年度の研究成果として、本研究の成果を一部取り入れた単著『The Political Economy of Regionalism in East Asia』をイギリスの出版社(Palgrave Macmillan)から上梓した。また、アジアの地域ガバナンス形成における日本の役割に関する論文を『Governance and Regionalism in Asia』(香港大学プロジェクト)の1章として出版した。
|
Research Products
(2 results)