2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530146
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三宅 充展 Tohoku University, 大学院・経済学研究科, 教授 (00190752)
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Keywords | 離散的経済モデル / 非市場財 / 支払い用意(Willingness-to-pay) / 補償要球(Willingness-to-accept) / 準線形効用関数 |
Research Abstract |
19年度では、環境質やアメニテイのような離散的な非市場財を含む非線形経済モデルに対して、消費者の初期保有量が十分大きければ線形経済モデルにより近似可能であることを論証した。具体的には、離散的な非市場財に対する消費者の支払い用意(Willingness-to-pay)と補償要求(Willingness-to-accept)が収束するための条件を発見することができた。これにより、この条件のもとでは、消費者の非市場財に対する選好が準線形効用関数で近似可能となり、所得効果が十分に小さいことが論証された。さらに、この結果は非市場財に対する政府の社会的評価が整合的に判定可能となる状況が従来から知られていたものより、かなり広範なものであることが示唆される。この結果を国際学会(The Joint Conference: The 4th Pan-Pacific Game Theory Conference and The 3rd Asian Decentralization Conference、台北市、中央科学院)で口頭報告するとともに、部局内のTERG Discussion Paper No.233,論題「Convergence Theorems of Willingness-to-pay and Willingness-to-accept for Nonmarket Goods」として公表した。上記の分析は、一人の消費者(代表的消費者)に関する制約があったが、複数かつ異質の消費者が存在する経済モデルにおいて、同様の結果も得られている。
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Research Products
(2 results)