2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530154
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今井 亮一 Kyushu University, 留学生センター, 准教授 (10298507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 教孝 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (80334598)
佐々木 勝 大阪大学, 社会経済研究所, 准教授 (10340647)
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Keywords | サーチ / マッチング / 貨幣 / 労働 / 分権的取引 |
Research Abstract |
今井は、A Search Model of the Resale Marketにおいて、初めてサーチ理論による中古市場のモデル化を試みた。基本設定では、新品に対する消費者の評価(選好)が異なると仮定して、中古市場をモデル化した。モデルの厚生経済学的性質を調べ、中古市場で正の価格が付く限り、中古品の売り手は多すぎ、買い手は少なすぎることを示した。このモデルは、中古車やチケット市場の分析など、直ちに思いつく応用のほか、新規事業の立ち上げと既存事業の転売の相互関係の分析にも応用することができる。 佐々木と工藤の共同研究(Precautionary Demand for Labour and Firm Size)では、企業規模に着目し、企業の人事政策についてサーチ理論を使って分析を行った。既存企業がその規模を拡大するかどうかを決定づける要因として、人手不足を回避したいという、予備的動機の存在を明らかにした。他企業が雇用を拡大すると自企業の人材確保の機会が減少することを通じて予備的動機が強まることから、他企業の雇用拡大が自企業の雇用拡大を誘発することを発見した。 清水は"Dynamic Auction Markets with Fiat Money"において、定常均衡の非決定性がどのような取引制度の下で成立するのかを検討した。具体的には、交換の仲介手段として貨幣が流通するような環境を設定し、さまざまな取引モデルでの定常均衡を比較した。その結果、集権的オークション市場、分権的オークション市場、ランダム・マッチング市場の下では定常均衡の実物的非決定性が発生する一方で、ワルラス市場の下では定常均衡の実物配分は一意になることが判った。
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Research Products
(10 results)