2008 Fiscal Year Annual Research Report
「社会主義経済計算論争」の理論的・歴史的展開の過程とその意義に関する総合的研究
Project/Area Number |
19530172
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
尾近 裕幸 Kokugakuin University, 経済学部, 教授 (40252837)
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Keywords | 経済学史 / オーストリア学派 / 社会主義 / 経済計算論争 / 市場経済化 / 移行経済 / ミーゼス / 市場経済 |
Research Abstract |
1.研究内容・研究成果 平成20年度は,研究対象である「社会主義経済計算論争」に関して,「1950年から1990年までの『論争』」について研究を行った.研究において,この期間の特徴として,社会主義経済の発展に伴い社会主義経済の可能性自体をめぐる「論争」が表面上は「衰退」傾向にあったものの,実際には多くの問題を抱えていた社会主義経済の実態を反映して社会主義経済圏内で「論争」に関連した議論が多く行われていたことを明らかにした.また,現実の社会主義経済が直面した問題や改革の試みと「論争」とが密接に関係していたことを明らかにした. 2.関連文献の収集および電子ファイル化 「社会主義経済計算論争」に関して世界最初の体系的な研究所の一つであるK.ティシュの博士論文(1932年ボン大学提出)「中央集権的に組織された社会主義共同体における経済計算と分配」の一部を翻訳し,電子ファイル化した.また,また「1950年から1990年までの『論争』」に関する論文を整理した. 3.研究成果の発表・公表 平成21年7月14日-17日の日程で開催される第22回オーストラリア経済思想史学会(ノートルダム大学,オーストラリア)において,"Japanese Contribution to the Calculation Debate: K.Yamamoto's Economic Calculation"のタイトルで研究報告を行う予定である.
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Research Products
(1 results)