2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530173
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Research Institution | Fukuya City Junior College for women's |
Principal Investigator |
堀田 誠三 Fukuya City Junior College for women's, 生活学科, 教授 (40144109)
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Keywords | 18世紀イタリア / 奢侈 / 百科全書 / ミリーツィア / マルサス / カニャッツィ |
Research Abstract |
1.経済学史学会第73回全国大会セッション「マルサス主義の国際的普及」において「イタリアにおけるマルサス受容の一断面」と題する報告をおこなった。この報告では奢侈論という問題設定が19世紀にいたっても、商品生産の起動力=消費から資本蓄積=節約まで見渡す概念として、経済学において機能していたことを確認した。 2.トリノ大学のマヌエラ・アルベルトーネ教授を招聘し、2009年9月3日に、京都大学人文科学研究所において講演会を開催した。論題は「フィジオクラットの権力分立についての考察」であり、フランス語(通訳付き)でおこなわれた。つづいて9月5日には名古屋大学において、科研費研究「啓蒙と東アジア」(課題番号18320025)の協力をえて、国際研究集会「奢侈と文明」を開催した。水田洋「フランコ・ヴェントゥーリについて」、橋本周子「開かれた社会か閉じられたサロンか?ブリア=サヴァランの『味覚の生理学』の読解」、堀田誠三「F.ミリーツィアにおける奢侈と建築」、マヌエラ・アルベルトーネ「奢侈と民主主義B.フランクリンとフランス経済思想の相互交流」、渡辺浩「奢侈、商業、徳 徳川日本における政治的知的論争」の報告がなされ、使用言語は英語であった。報告と討論をつうじて、著侈論の普遍性が確認され、そのうえでイタリアと日本の若手研究者を中心とする研究交流への展望をえた。 3.論文「『百科全書』リヴォルノ版について-オーベールの手紙から-」では、奢侈が文明の進歩の原動力であるというミリーツィアの確信の根拠となった百科全書のイタリアへの受容過程を、その出版史の側面から解明した。
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Research Products
(3 results)