2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530178
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
斯波 恒正 Hitotsubashi University, 大学院・経済学研究科, 教授 (90187386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千木良 弘明 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (30447122)
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Keywords | 分散不均一性 / ベイズ計量経済学 / MCMC / 分散推定 / 直交回帰説明変数 / 事前情報 / 収益率分散 |
Research Abstract |
計量経済学を用いた実証研究において、誤差項の分散が観測値毎に一定ではないことがよくある。我々が本研究で提唱しているのは、分散構造を一切モデル化しないでその分散を推定する枠組みである。平成19年度は、「研究の目的」で指摘した我々のモデリングの3点の特徴を備えたモデルの推定方法を確立した。具体的には、線形回帰モデルを考えその誤差項の分散の推定を行った。誤差項の分散パラメーターは標本と同じ数だけあるので通常はそこに何らかの構造(例えばARCH等)を課して推定するが、我々は何の構造も仮定しない。このように分散に構造を仮定しないと、分散パラメーターの識別ができなくなるが、我々はそれに適切に対処する方法を提案した。そして、構造ではなく分散パラメーターの値の範囲に制約を置き、その制約をベイズ的事前情報として推定の枠組みに取り入れることで推定の確度を増した。この推定法を人工的に生成したデータでの実験と実際のデータ(製薬会社の株価データ)に適用し、我々の方法が適切に機能することを確かめた。成果の発表に関しては、既に日本語(『一橋経済学』所収)と英語(Hi-Stat DP #185)で段階を追って行ってきた。さらに平成19年度は下記の論文を公表し、手法的には一応の完成を見ている。なかでも理論面では、条件付きベイジアンの枠組みを完全なベイジアンの枠組みへ発展させた点は大きな前進である。現在、この成果を主要な学会で発表すべく投稿中であり(すでに受理され発表することになった)、別途計量経済学の査読制度付きの主要なジャーナルに投稿中でもある。
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Research Products
(2 results)