2010 Fiscal Year Annual Research Report
月次GDPギャップのベイズ推定とギャップ確率指数の開発
Project/Area Number |
19530185
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
村澤 康友 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (00314287)
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Keywords | 景気指数 / 月次GDP / GDPギャップ / インフレ期待 / フィリップス曲線 |
Research Abstract |
金融政策の目的は物価(またはインフレ率)と景気の安定である.不完全情報の下で物価と景気に対する金融政策の効果は人々のインフレ期待の変化に依存する(新しい古典派のフィリップス曲線またはルーカス型供給関数).価格の粘着性の下で価格設定者が将来を考慮して現在の価格を設定するなら現在のインフレ率はインフレ期待に依存する(新しいケインズ派のフィリップス曲線).またインフレも粘着的なら将来のインフレ率もインフレ期待に依存する,したがって中央銀行は実際のインフレ率とインフレ期待の両方を注視する.インフレ期待が現在のインフレ率に反応しないとき,インフレ期待は「固定(anchor)されている」と言う.物価(またはインフレ率)と景気の安定のためにはインフレ期待の固定が重要である.中央銀行のインフレ目標政策を民間が信頼すればインフレ期待は固定される.ただし信頼するかどうかは人による.インフレ期待の固定のためには人々のインフレ期待の決定要因を,その「異質性」の原因も含めて知る必要がある.本年度は調査データを利用してインフレ期待と回答者の属性の関係を分析した.インフレ期待の計測はフィリップス曲線の関係を通じてGDPギャップの推定に重要である.
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Research Products
(4 results)