2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530187
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
牧 厚志 Keio University, 商学部, 教授 (20051906)
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Keywords | 家計消費 / バブルとその崩壊 / 資産負債構造 / 高齢者消費 / ヨーロッパの家計消費 / 消費と生産 / 寡占市場 / シミューレーション |
Research Abstract |
日本の消費者行動に関して、全国消費実態調査を使った分析を行った。データの整備に時間を費やしたが、部分的に結果表ができあがってきた。またその一部については「消費者行動の実証分析」に報告した。そしてこの拡張作業が現在行われている。分析結果を見ると、日本のバブルとその崩壊によって家計部門の資産・負債構造に大きな変化があったことが分かる。そして、この影響は21世紀にも持ち越している。さらに、このようなバブルのショックが永続的に消費行動に影響を与えるものなのか否かについては今後の分析結果を待つことになるが、どのような結果になるかは興味深い。 欧米の消費者行動に関して、ヨーロッパに関しては個表を使った分析を行い、3月にディスカッション。ペーパーの形でまとめたが、さらに完成度を上げることが必要である。ヨーロッパのデータでは特に高齢者の消費行動と男女の等価尺度について検討し、男女間で消費行動に変化があることを確認し、さらに、食料費に関しては従来使われてきた成人単位の有効性は現在でも保持されていることを確認した。さらにヨーロッパの消費行動を日本の消費行動とも比較を行った。また、アメリカのデータに関しては、アメリカ公衆国労働統計局で作成された個表データを収集し、そのデータ整理を開始する準備を進めた。 さらに、このように消費者の需要行動と企業の供給行動に関し、寡占市場という枠を設定し、寡占市場において消費者と企業の競争関係がどのように変化するのかにも分析の視野を広げた。この点に関してはシミュレーションモデンを作り、その結果をニュージーランドで行われた国際コンファレンスで報告した。
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