2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530192
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
船津 秀樹 Otaru University of Commerce, 商学部, 教授 (60173514)
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Keywords | 国際ビジネス / 人的資本 / 高等教育の国際化 / グラビティーモデル / UNESCO / 国際教育政策 |
Research Abstract |
この研究の目的は、活発化しつつある国際ビジネス経済活動に対して、各国の国際教育政策はどのような影響を与えているのか国際経済学の分析手法を用いて明らかにすることにある。 これまでに、地域経済統合の進展との関係で、「学生の国際間移動」を見えないサービス貿易ととらえて分析を行ってきたが、さらに、研究を進めて、国際ビジネス経済活動全般に対する各国の教育政策の影響を分析することに、本研究の意義がある。平成19年度には、学生の国際間移動に関するデータを収集公開している国際連合教育科学文化機関統計所(UNESCO Institute for Statistics)を訪問して、セミナーにおいて研究報告を行い、データの信頼性に関する意見交換を行った。UNESCOにおいても、高等教育分野における国際協力の重要性が認識され始めた時期でもあり、本研究に対する関心が示された。 二国間の留学生の移動数を、グラビティーモデルを用いて、受入国の国民所得、派遣国の国民所得、二国間距離に加えて、地域経済統合ダミーと受入国の教員数を説明変数にすることによって分析した。2000年時点における留学生の二国間移動数は顕著な特徴を持ち始めており、特定国から特定国へと大量の学生が移動していることがうかがえる。地理的に近い発展途上国から先進国への留学生の移動数が多く、特に、インド、中国などの人口豊富国から、アメリカ合衆国、日本、ヨーロッパ各国への移動が多い。その一方で、まったく学生の移動が観察されない2国間関係も多数存在しており、格差が拡大しているようにも見える。グラビティーモデルは、従来の研究通り、2国間の留学生の移動をうまく説明している。特定のサンプルの間では、大学教員数のような教育に関連する変数が有意となる場合も観察された。国際貿易および直接投資との関係を明らかにすることが次の課題となる。
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