2008 Fiscal Year Annual Research Report
アジア太平洋地域における経済活動の多様性及び協力可能性の検証
Project/Area Number |
19530197
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石戸 光 Chiba University, 法経学部, 准教授 (40400808)
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Keywords | アジア太平洋地域 / 多様性 / 協力可能性 |
Research Abstract |
本研究費により執筆された共著書『相互依存のグローバル経済学:国際公共性を見すえて』は、前年度の議論をさらに拡張し、APEC域内にとどまらず地球規模での相互依存をテーマとしている。当該文献においては、アジア太平洋地域の多様性、およびAPECの「開かれた地域主義」という特徴が「異質な他者」の概念と親和性を持つ点に留意し、貿易・金融面の理論および実証的な考察を行った。また「研究成果報告書」(紙ベースおよびオンライン:http://www.geocities.jp./hikari_ishido/research.html)では、従来の経済分析においてとかく軽視されがちであった経済主体の多様性を明示的に考察すべき旨を、包括的に論じる学生との共同研究をとりまとめた。アジア太平洋地域(主にAPEC諸地域)関しては、多様性が欧州など他地域に比して高いため、同地域の不安定要因が創出しやすい。しかし同時に、多様性こそが貿易理論でいうところの比較優位にもつながる。これらの点に鑑み、本研究ではいくつかの事例を元に多様性の功罪につき、論じた意味において重要性と独自性を持つ。これら2つの研究成果物を、2010年にAPECを主催する日本政府のAPEC関連部局の実務担当者に贈呈し、これにより実際のAPECに関する政策形成にあたり、参照してもらうことを目指した。
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