2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530202
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
冨浦 英一 Yokohama National University, 経済学部, 教授 (40273065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 誠一 愛知学院大学, 商学部, 教授 (70047489)
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Keywords | 海外アウトソーシング / 海外直接投資 / 企業データ |
Research Abstract |
1.本研究では、企業のグローバル化の内で、生産工程の国際分割に絞って分析を行った。これにより、企業経営・経済理論両面で注目を集めているfragmentationのミクロ定量的把握に貢献し、雇用、所得、生産性等の面で国内経済にも重要なインプリケーショシを有する国際分業の新たな形態に関する理解を深めることを目指した。 2.具体的には、経済産業省が実施した「企業活動基本調査」で把握された個別企業レベルのミクロ・データから2000-2005年にわたり整備されたパネル・データセットを利用し、生産工程の国際分割に関連した計量分析を行った。特に、他の企業調査結果と組み合わせることによって、海外に移転される工程が多国籍企業の社内で遂行されるのか他社にアウトソーシングされるのかの区別に注目して、資本・労働比率の企業比較を行った。その結果、労働集約的な企業の方が他社にアウトソーシングする傾向が統計的に有意に強いことが、企業規模、研究開発集約度等の様々な企業特性、仕向地域、業種等を制御しても多項選択モデルの推定により確認された。この結論は、先行研究で提示され集計レベルでの実証にとどまっていた理論的仮説の現実妥当性を企業レベルで直接検証したものである。個別企業に直接調査したミクロ・データに基づく本研究は、従来の産業連関表等の粗い集計データに比べ、生産工程の国際分割に関する定量的実態把握の精度が格段に増すものである。 3.併せて、生産工程の国際分割と密接に関連する海外直接投資の理論的研究も行い、査読を経て海外の学術専門雑誌に合計で2本の論文を刊行した。
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Research Products
(2 results)