2007 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャル・キャピタルが地域経済に及ぼす影響度分析
Project/Area Number |
19530209
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
新井 圭太 Kinki University, 経済学部, 准教授 (60336485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 裕輔 近畿大学, 経済学部, 准教授 (50315389)
塩谷 雅弘 大阪国際大学, 法政経学部, 准教授 (70340867)
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 地域経済分析 / アンケート調査 / 地域ガバナンス / 幸福度の調査 |
Research Abstract |
1.研究目的と申請時の実施計画 ソーシャル・キャピタルとは社会の規範や信頼といった地域における人々の紐帯を表すものであり、社会科学の様々な研究分野やめ取り組みが進んでいるテーマである。その定性的な概念整理はある程度蓄積されつつあるが、定量的把握は未だ十分とは言えない状況と言えよう。このような背景の中、本研究は(1)日本国内におけるソーシャル・キャピタルを定量的に推計すること、及び(2)推計された地域ソーシャル・キャピタルが地域経済に及ぼす影響度を推計す右ことを目的としている。初年度はアンケート調査の設計と調査方法の模索すること、2年目はアンケート調査を広範囲に行うことで多様なデータを取得すること、および3年目は推定された地域ソーシャル・キャピタル指標を用いてのモデル推計を行うことを手順とする。 2.平成19年度の実績 初年度である平成19年度においては、既に示した予定通り、まずはアンケート調査票の設計とテスト調査、及び代替指標(ソーシャル・キャピタルを表現する指標)の推計までを行った。具体的には工業集積地帯のひとつである東大阪市を対象に、1万件の調査票配布を行い、サンプルを取得した(回収率は2.4%)。これらのデータは大きく分類して「個人と地域社会とのかかわり」・「個人の属性]・および「暮らしにおける個人の満足度」の3つから構成されている。今回はこれらのデータを用いた基本集計から地域ソーシャル・キャピタルを推定する作業までを行った。データ結果と基本集計は以下(業績欄)のワーキング・ペーパー(1本目)に詳細を記載しており、またクロス集計と属性分析、および地域ソーシャル・キャピタルの推計に関しては2本目のワーキングペーパーに詳細を記述してある。これらの結果、都市部である大阪地域におけるソーシャル・キャピタルの度合はけして高い水準のものとはいえず、周囲や地域コミュニティへの無関心を示す回答も多いことが認められた。
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