2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530215
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大沼 あゆみ 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (60203874)
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Keywords | 適応 / 緩和 / サンゴ移植 / ワシントン条約 |
Research Abstract |
1.地球温暖化対策としての適応は、生物多様性や農業を大きく変化させる。先進国の適応技術の発展と採用は、その国の緩和行動に影響を与える。その変化は、世界の温室効果ガス排出量への変化を通じて、途上国の緩和行動にも影響を与え、世界の温室効果ガス総排出量と各国の厚生を変化させる。Onuma and Arino (2011)では、こうした変化を厳密に明らかにし、先進国の適応技術向上が、先進国と途上国の厚生に複雑な効果を持つことを示した。あわせて適応が先進国ならびに途上国の状況を改善させるシステムとして国際的な移転制度の役割を示した。 2.今日、サンゴ礁修復の手段として注目されている移植について、自然から採取した苗で移植を行っていることや、多様性が低いことなど、その問題点を明らかにし、自然に負荷を与えない種苗と組み合わせたバスケット型供給を提案した(大久保・大沼、2010)。また、兵庫県豊岡市のコウノトリ野生復帰では、コウノトリ育む農法が経済的に合理的であること、また、地域経済に与える経済効果が大きいことを合わせて、サンゴ移植と合わせて経済性を評価した(大沼・大久保、2011)。 3.ワシントン条約は、記載種の絶滅可能性を低下させる効果を持つものと一般に考えられているが、種によっては逆効果になる。この効果を中心に、ワシントン条約の概説と評価を行った(地球環境学事典、2010)。
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Research Products
(5 results)