2008 Fiscal Year Annual Research Report
受診行動決定モデルを用いた意思決定にヘルスリテラシーが及ぼす影響の診療科別分析
Project/Area Number |
19530223
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
柿原 浩明 Ritsumeikan University, 経済学部, 教授 (20351314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 高典 京都大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (60278794)
後藤 励 甲南大学, 経済学部, 准教授 (10411836)
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Keywords | 受診行動 / 医療経済 / 意志決定 |
Research Abstract |
患者の受診意志決定過程を医学的・経済学的にモデル化したものはほとんどない.類似したものとしては,医療サービス消費の経済学的モデルとして,消費者の効用を,健康水準とそれ以外の財の消費量で表したグロスマンモデルがある.それは医療は健康という目的を達成するための派生需要であり,患者(消費者)の効用が,医療サービスの消費水準ではなく,実現された健康水準にあるということを示したという点で,画期的なモデルである.しかしあまりに抽象的なモデルであるため実証することは非常に困難である. 医療経済学研究において,受診以後の治療内容などの分析が主としてなされてきているが,受診以前の受診意志決定過程を分析した研究は今までになかった.これは臨床医師の経済学研究者がほとんどいなかったため,そういう点に着目するという発想がなかったためである.臨床医師でもある私の臨床の現場から出てきた疑問点を,経済学的にモデル化したものを診療科・ヘルスリテラシーレベルごとに分析し,今後の医療需要の姿を詳細に検討したい. 診療科・疾病別に出来るだけ数多くの症例を集め,疾病ごとの自覚症状と受診行動との関係やヘルスリテラシーの受診行動に与える影響についての詳細な検討を行いたい. 社会保険京都病院その他一般診療所などで,アンケート調査を複数施設で複数回実施し,現在そのデータをまとめて検討しているところであるが,予想通り自覚症状の低い疾患での受診行動とヘルスリテラシーには正の関係がみられた. 2009年7月の北京でのIHEA(国際医療経済学会)で発表し,著書にする予定である.
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