2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530224
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
野坂 博南 Kansai University, 経済学部, 准教授 (90425059)
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Keywords | 労働経済 / 雇用 / 少子化 / 摩擦的失業 |
Research Abstract |
本年度も引き続き法制度や諸規制が雇用に与える影響に注目して研究を行った。Peer Monitoring in Work Place and Voluntary Job Separation of Parenting Womenでは、出産や育児に対する支援策が企業の経営者にどのような企業組織や報酬制度を採用させる誘因を与えるかを理論モデルにより分析している。代表的な2つの形態の組織(チーム生産と個別生産)を比較して、育児中の女性に対する過剰な雇用保護が存在する場合、企業はチーム生産をより採用する誘因をもつことを示した。こうした政策のもとでは、企業は育児中の女性を解雇することはできないが、チーム生産のもとでは育児中の女性の存在でチーム全体の生産力が低下するため、チーム内のメンバーが女性に退職を迫る暗黙のプレッシャーをかける誘引を与えやすいからである。このモデルにより、チーム生産がより一般的であると言われる日本で(産休や育児休暇がありながら)女性が出産に伴い退職する割合が極めて高いことを説明する一つの仮説を提示した。その他の分析として、Business Cycles and Job Destruction in a Job Search Model with Large Firms and Heterogenous Workers (Kansai University Review of Economicsに掲載)では、採用費用が生じる経済のもとで多くの労働者を雇用する企業の最適な雇用政策について分析し、景気循環と企業の雇用戦略についての分析を行った。
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Research Products
(1 results)