2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530225
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Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
西本 真弓 Hannan University, 経済学部, 准教授 (00388604)
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Keywords | 介護休業制度 / 介護休業法 / 休業形態 / 多項ロジットモデル / 介護支援措置 |
Research Abstract |
平成20年度の研究では、家族に介護が必要となったときの休業形態の選択を明らかにするため、被説明変数に「休まない」を0、「介護休業制度を利用」を1、「年休を利用」を2、「欠勤」を3とする変数を用いて多項ロジットモデルによる推定を行った。 推定の結果、以下のことが明らかとなった。(1)若い世代では業績評価にマイナスの影響を及ぼす可能性が高い介護休業や欠勤といった休業形態の取得が抑制される。また、収入が多いほど介護の機会費用が高くなり、欠勤が抑制される。(2)就業時間関連の措置を利用した場合において欠勤が促進され、残業関連の措置を利用した場合において年休が促進される。(3)配偶者の労働時間が長い場合、本人が何らかの休業形態を利用することで介護と就業の両立を図る傾向がある。(4)要介護者が一般病院、老人病院に入院している場合、介護休業制度、年休を有意に促し、欠勤に関してもわずかに有意ではないが、同様に促す。 以上、介護のための休業形態を選択する要因を明らかにしたが、ここで明らかになったことは、今後、介護と就業の両立を可能にするための制度や政策を提案する上で、とても重要であると考える。 また、上記の研究以外に、平成19年度の研究として執筆を進めていた「介護療養病床と医療療養病床の選択に関する実証分析」は、平成20年6月に行われた日本経済学会で報告を行った。そのとき、ちょうだいした貴重なコメントに沿って改訂を行い、現在、雑誌に投稿中である。
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Research Products
(1 results)