2007 Fiscal Year Annual Research Report
オープン・アクセス環境における市場構造と制度設計の研究
Project/Area Number |
19530226
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
水野 敬三 Kwansei Gakuin University, 商学部, 教授 (40229703)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 一郎 名古屋商科大学, 経営学部, 教授 (90267922)
|
Keywords | インフラ設備投資 / 接続料金 / 垂直合併 / 市場構造 / バイパス / 過剰参入 |
Research Abstract |
電力,電気通信,都市ガス,鉄道等のネットワーク産業では,既存事業者のインフラ設備を新規参入者にも開放することを要請する「オープン・アクセス環境」が進行している.本研究の目的は,オープン・アクセス環境におけるインフラ設備の有効利用および新規イフララ建設や競争の促進を通じて,財・サービスの安定的供給と小売料金下落が達成されるためには如何なる制度設計が必要であるかを経済理論モデルにより明らかにすることである. 電気通信事業では,次世代ネットワークの主たるインスラ設備となる光ファイバーの使用・建設をめぐって,新規参入企業が既存企業のインフラ設備を使用せずに他企業と垂直合併,あるいはそのインフラ代替設備を使用する状況が発生している(2006年にKDDI)がパワードコムを吸収合併したのはその良い例である.)その点を踏まえ,本年度は,参入企業が多様な参入戦略(接続,バイパス,垂直合併)を用いて参入する事象を理論モデルで明示化し,その上で既存企業が戦略的にインフラ設備投資を行った場合。市場均衡で発生する水平的・垂直的市場構造が経済厚生上いかなる特徴を持つかを分析した. 理論モデルは4段階からなるゲーム構造である.初めに既存企業がインララ設備投資量を決定し(第1段階),続いて規制当局が接続料金水準を決定する(第2段階).その二つを観察した後,新規企業がいがなる形態で参入するかを決定し(第3段階),もし参入したならば小売市場で既存企業と新規参入企業との競争が発生し,近郊価格・取引量が決定する(第4段階). 理論モデル分析から次の主要な結論が得られた.第1に,均衡では3種類の過剰参入(「接続を伴う過剰参入」「バイパスを伴う過剰参入」「垂直合併を伴う過剰参入」)が発生する.第2に,いずれの過剰参入均衡においてもインララ建設な過少となっているごとが判明した.
|
Research Products
(3 results)