2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530245
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
脇田 成 Tokyo Metropolitan University, 都市教養学部, 教授 (60242046)
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Keywords | バブル / 失われた10年 / 財産所得 / TFP |
Research Abstract |
本研究ではバブル崩壊と失われた10年を、投資の所得増大効果、といった側面から考察している。今年度の実施計画は、まずVARを行い、だいたいのマクロ変数の変動を以下のように検証した。 [a]不良債権のデータを銀行業株価指数や財産所得・受取利子等で代替。 [b]VARにより、不良債権が投資には影響が小さいが、消費には大きく影響があることを示した。 なお近年、Hayashi and Prescott(2002)以来、全要素生産性(TFP)を巡る議論が盛んである。TFPについては先述の第2段階の投資の生産性効果に関連する問題であるといえる。本研究では [c]TFPには不良債権が含まれうることを理論的、実証的に示し、TFPを重視した研究と必ずしも非整合ではないことを示した。 本研究では失われた10年の「原因」は不良債権であり、その「症状」は財産所得を通じて消費に表れたことを主張するものだが、すでに病状は慢性化し悪循環に陥っていた以上、今後の処方箋が単純なものとはならない。
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Research Products
(5 results)