2008 Fiscal Year Annual Research Report
少子高齢化社会における外国人労働者の選択的受け入れ政策に関する研究
Project/Area Number |
19530255
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
近藤 健児 Chukyo University, 経済学部, 教授 (70267897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藪内 繁己 名古屋市立大学, 経済学部, 教授 (40264741)
多和田 眞 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (10137028)
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Keywords | 国際労働移動 / EPA(経済連携協定) / 汚染抑制産業 / 失業 / 収穫逓減産業 / 寡占 |
Research Abstract |
近藤は第1に外国人労働者の選択手は導入政策の1つであるインドネシアとのEPAに基づく看護・介護労働者の導入政策についての研究を行い、労働者導入には受け入れ期間のみを相手国に示し、労働者の量を内生化して最適にコントロールする政策をとることの有利性を示した。第2に環境問題を考慮した国際労働移動について研究を開始し、汚染抑制産業の存在がグローバルな意味での国際労働移動によるゲインをもたらす可能性を示した。前者の研究はAsia Pacific Journal of Accounting and Economicsに掲載予定であり、後者の研究は中京大学経済研究所のディスカッションペーパー0810にまとめられ、中京大学での名古屋国際経済研究会および長崎大学経済学部でのセミナーで報告された。近藤の研究は著書『環境、貿易と国際労働移動』にまとめられた。 藪内は、昨年に引き続き、資本や労働の国際移動が流入国の経済にどのような影響を及ぼすかについて研究を行った。その際、熟練労働と非熟練労働の区別とそれぞれのタイプの労働の流入が、資本の流入とあわせ、賃金や雇用状況にどのような効果を及ぼすかに特に注目し分析を行った。その結果、どのような労働の流入を促進するかは、少子高齢化社会の労働不足を補う上で決定的に重要な要因となることが確認された。研究成果の一部は、Oneday Conference (2008年10月4日、中京大学)やその他の学会で報告されるとともに、Review of International Economics (2008)に掲載された。 多和田は収穫逓増産業と寡占産業の2部門を考えて、これらの要因が2国間の比較優位にもとづく国際分業にどのような影響を与えるかについて論じた。これはこのような現実的な経済における国際間労働移動の問題の考察のための基礎をなすものである。
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