2008 Fiscal Year Annual Research Report
システムダイナミックスによる日本のマクロ経済モデリング
Project/Area Number |
19530259
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
山口 薫 Doshisha University, 大学院・ビジネス研究科, 教授 (90108415)
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Keywords | システムダイナミックス / マクロ経済モデル / MacroDynamics / オープンマクロ経済 / 2国間閉鎖経済 / 信用収縮 / 貿易・資本移動 / シミュレーション |
Research Abstract |
これまでの研究で、閉鎖経済に於けるシステムダイナミックスのマクロ経済モデルの構築にほぼ成功し、これをもとに平成19年度は、貿易や資本移動を含むオープンマクロ経済モデルに拡張する作業に着手。問題を複雑にしないために、とりあえずオープンマクロ経済の基礎モデルを構築する作業から始め、為替レートの決定や資本移動の動きをシミュレーション出来る基礎的なモデルを完成させた。 平成20年度はこうして完成した基礎的な国際経済モデルをもとに、2つの閉鎖マクロ経済を合体させる作業に取りかかった。変数がいっきに倍増して800個以上に増加し、複雑なモデルを組む作業に追われたが、何とか夏までに完成させることが出来た。そしてこの成果を平成20年7月にギリシャのアテネで開催された第26回SD国際会議で、"Open Macroeconomies as A Closed System-SD Macroeconomic Modeling Completed"というテーマで研究報告した。Macro Dynamicsと名付けた同モデルは、筆者が開発したAccounting System Dynamics(システムダイナミックスと会計とを合体させるビジネスモデリング手法)に立脚した世界で最初のジェネリックなマクロ経済シミュレーションモデルである。 その後、このモデルを本研究課題である日本経済のマクロモデリングに応用する作業に着手。同時に日本のマクロ経済データの収集・整理、既存の計量経済マクロ経済モデルとの整合性等の作業も開始。 その過程で多くのデータを取り入れるためにモデルを改良する必要性に直面。特に具体的な金融資産項目は上記モデルに入っていなかったが、今回の金融危機にかんがみ、必要と判断。こうした多岐にわたる作業に同時進行的に取組ながら現在に至っている。誰でも容易にパソコンでシミュレーション可能となる日本のマクロ経済モデリングを出来るだけ早く完成させたいと願っている。以上が、これまでの研究概要です。
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