2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530271
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 隆康 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 教授 (60361888)
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Keywords | 中長期金利 / UIP / フィッシャー仮説 / インフレ期待 / 共和分 |
Research Abstract |
日本における中長期金利の市場メカニズムを解明するため、本年度は(1)日本円金利とユーロ金利との連動性をUIP(Uncovered Interest Rate Parity)の枠組みで検証する。(2)日本円における長期金利(10年物-日本国債、円金利スワップ、東京電力債)の連動性を検証する。(3)およそ18年という長期間にわたるデータを用いて、日本円の中長期金利において、フィッシャー仮説が成立しているか否かを検証する-の3点から研究を遂行した。 (1)のUIPについては、2年物、3年物、4年物、5年物、7年物、10年物の日本円とユーロ金利において、連動性は観測されなかった。また、日本円金利からユーロ金利への一方的な影響が観測できた。 (2)の10年物金利の裁定に関しては、標本の前半(95年7月12日から99年2月12日)において、日本国債と金利スワップは長期的に均衡して推移した。一方、後半(99年2月15日から05年1月31日)において、金利スワップと東京電力債が長期的に均衡して推移した。このことはゼロ金利政策の導入をきっかけに、日本における10年物金利の市場は構造変化をしたことを示唆する。 (3)のフィッシャー仮説に関しては、87年10月から06年6月における2年物、3年物、4年物、5年物、7年物、10年物の金利と期待インフレ率の間には、フィッシャー仮説は成立していなかった。このことから当該期間において、名目金利は期待インフレ率の変化に等しい分だけ、変化しなかったといえる。
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Research Products
(6 results)