2007 Fiscal Year Annual Research Report
跳躍拡散過程の下における永久イスラエリ・オプションの評価
Project/Area Number |
19530288
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
董 晶輝 Toyo University, 経営学部, 講師 (80408955)
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Keywords | イスラエリ・オプション / 跳躍拡散過程 / 権利行使限界 / 最適停止問題 |
Research Abstract |
この研究では、原資産価格過程が跳躍拡散過程(jump-diffusion process)に従う場合、通常のアメリカン・オプションに対応するイスラエリ・オプションの買い手と売り手の権利行使限界を求めるとともに、オプションの価格式を導出する。通常のアメリカン・オプションについては、片側(買い手)の停止限界を求めばよいが、本研究で扱うイスラエリ・オプションはオプションの買い手と売り手の双方の権利行使限界を同時に求めなければならない。原資産価格過程が幾何ブラウン運動に従う場合には、売り手の権利行使の領域は権利行使価格からイン・ザ・マネーのある値までの範囲となり、この値が求める売り手の権利行使限界であり、これを買い手の権利行使限界と同時に求めればよい。原資産価格過程が跳躍拡散過程に従う場合には、売り手の権利行使領域が権利行使価格の両側に広げるので、売り手の権利行使限界を求めるには両側の停止限界と買い手の権利行使限界と合わせて3つの権利行使限界を同時求めなければならない。そこで、今年度の研究では、まず、売り手についての両側の停止境界を求めることから始めることにした。両側の停止境界問題はリアル・オプション理論での参入退出問題に共通することから、この中間的研究成果をコーポレート・ファイナンスでの応用として、跳躍拡散過程での参入退出問題を研究し、本研究の重要な副産物として、学会で発表を終え、論文をまとめるところである。両側の停止問題の結果を踏まえて、売り手の権利行使限界と買い手の権利行使限界の3つの停止限界を同時の求める条件式を導出した。今年度の研究は予定通りの成果を得ることができ、さらに、中間的成果を応用して、副産物的な研究成果も得られた。停止限界を求める条件式は高次の連立方程式であるから、結果を求めるには数値解法が適当であり、最終年度では主に数値解法を研究する予定である。
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