2009 Fiscal Year Annual Research Report
戦前日本の金融システムの進化パターン---制度変化のメカニズムからの接近
Project/Area Number |
19530289
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
寺西 重郎 Nihon University, 商学部, 教授 (70017664)
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Keywords | 戦前期日本 / 金融システム / 銀行 / 金融市場 / 政治経済学 / 政治システム / 中位値投票者 / 経済思想 |
Research Abstract |
当初の研究目的に掲げられた3つの問題について概略次のような結果が得られつつある。 第一に、戦前期金融システムは、銀行の擾勢によって特徴づけられるのか、それとも市場の優勢によって特徴づけられるのであろうかという問題については、資金の動員、資金の変換、資金の配分、企業統治などの機能は、銀行と市場という二つのサブ・システムによってある種に役割分担がなされたことを示した。 第二に、戦前期の金融システムの変化はどのような要因とどのようなメカニズムによって生じたのであろうかについては、それにかかわる政治過程をある程度明らかにした。 第三に、戦前期の金融システムはどの方向に向かって変化していたのであろうか、という問題については、戦前期の金融システムは、歴史的趨勢として、戦後高度成長期の銀行中心の金融システムに向かって変化していたということを示唆する分析結果を得た。 以上の成果は岩波書店から単行本の形で刊行される予定である。
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