2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530290
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
畑農 鋭矢 Meiji University, 商学部, 准教授 (00303040)
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Keywords | 財政学 / 経済政策 / 経済統計学 / 経済理論 |
Research Abstract |
本研究は,状態空間モデルを用いて家計の選好を表す潜在的変数を推定し,その歴史的変動の検討や地域比較分析を試みることを企図としている。このような分析は地域による公債負担に関する期待形成の違いを明らかにし,地方財政の制度設計の-助となることが期待できる。とりわけ,状態空間モデルの適用により,家計行動のキー・パラメタの時系列変動を捉えることが可能であり,地域の経済環境の変化や政府の経済政策が家計の期待形成や選好のあり方に及ぼす影響を経時的に理解することができる。 しかし,状態空間モデルはさまざまな経済現象に広範に適用されるには至っておらず,経済理論との関係も十分に明らかになったとは言えない。そこで,状態空間モデルを経済分析に応用するための理論的基盤を整えることが昨年度の最大の目的であった。昨年度は,すでに構築されている状態空間モデルに整合するように,地方財政モデルを定式化することを試みた。地方財政の経済モデルについては多くの先行研究があるため,大枠としては既存のモデルを参考にしたが,状態空間モデルを適用可能とする工夫も加えられた。これらの点は,今後の研究の参考となると考えられる。
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