2009 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ・ナチズム下の地域経済=地方自治の相関とスイス史-実証研究と国際比較-
Project/Area Number |
19530310
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
加藤 房雄 Hiroshima University, 大学院・社会科学研究科, 教授 (90104869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 隆文 京都大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (30294507)
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Keywords | ドイツ / ナチズム / スイス / 地域経済 / 地方自治 / ゲマインデ制 / 行政の優位 / 社会経済史 |
Research Abstract |
「ドイツ・ナチズム下の地域経済=地方自治の相関とスイス史-実証研究と国際比較」に関する今年度の研究経過と成果は、およそ以下のとおりである。(1)図書館調査を踏まえた文献・資料の整備については、「ドイツ地方自治の歴史的個性と大土地所有」に注目して、計画どおり、ベルリン・フンボルト大学の支援を得つつ、ベルリン州立図書館を中心に行った。Conrad Bornbakの古典的業績だけではなく、東プロイセン州の実態に関するErich ReussやKilian Heck・Christian Thielemannらの近刊畫をも幅広く検索しながら、それらの熟読に努めた。「ゲマインデの魅力」に富むブランデンブルク型農村社会と、自治意識の覚醒・陶冶なぞ望むべくもなかったと言われる東プロイセン型農村社会との19世紀末期の違い等を実証分析の対象として進められるべき「ドイツの地域間比較」という新たな視角の必要性を認識できたことが、大きな収穫の一つであった。 (2)研究成果としては、社会経済史学会第77回全国大会の共通論題における議論を基礎にして、論説「ドイツ地方自治史の連続と変化-問題提起に代えて」と、コンファレンス・レポート「地方自治史の国際比較」を、ともに『社会経済史学』誌上に公表した。さらに、ドイツ語論文Urbanisierung und Fideikommissを執筆して、M.A. Denzel/M. Wagner-Braun両教授編著の『ドイツ社会経済史学』別冊第205巻に掲載した。
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