2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本における株式所有構造の変化が企業パフォーマンスに与える影響
Project/Area Number |
19530323
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金崎 芳輔 Tohoku University, 大学院・経済学研究科, 教授 (30204572)
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Keywords | 資本構成 / ペッキング・オーダー理論 / 中国株式市場 / 平均収益率の説明要因 / 過去の最大収益率 |
Research Abstract |
1.昨年度行った日本の上場企業1325社に関する2002年から2006年までの財務および株価データに基づく資本構成に関するペッキング・オーダー理論の実証研究をさらに発展させた。今年度は、負債の借入余力という変数を新たに提案することで、内部資金が不足する場合と余剰資金がある場合と企業規模により、ペッキング・オーダー理論の説明力が異なる理由の説明もより説得的なものにすることができた。 2.中国企業のリターン決定要因に関する実証分析を発展させた。2000年から2008年までの9年間にわたり、上海証券取引所上場企業を対象として、どのような要因がリターン(長期間の平均収益率)の大小に影響を与えるかを分析した。平均収益率の大きさを説明する変数として、以下の4つを用いた。ヒストリカル・ベータ、過去5年間の収益率の標準偏差、過去5年間の平均収益率、過去5年間の最大月次収益率である。いずれの変数も、値が大きいほどその後の平均収益率が小さいという逆説的な結果を示した。比較すると、過去5年間の最大月次収益率の頑健性が高かった。この変数を提案したのは、この研究が初めてであり、意味のある研究成果と考える。
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