2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530327
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
茂垣 広志 Yokohama National University, 経営学部, 教授 (60200325)
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Keywords | 経営学 / 国際経営 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本企業の海外事業展開により国際的に分散化した海外子会社の統括において、企業内国際分業の編成と現地取引企業との関係性の両方がどのように影響しているのかを明らかにすることによって、多国籍企業内部のネットワークと焦点組織(海外子会社)の有する外部ネットワーク(現地取引先企業との関係性)におけるポジションの変化の相互作用を明らかにすることである。特に、今回の研究では、最終消費財企業ではなく、日本産業の競争力の源泉となっている部品サプライヤーに焦点を当て、海外事業展開の特徴と、その企業内外のネットワーク形成、それが本社による海外子会社統括にどのような影響を与えるのかを質問調査により明らかにしようとした。そのため、社団法人日本自動車部品工業会に会員登録している部品サプライヤー450社への質問調査票の回答結果を基に、分析を試みた。部品サプライヤーの場合、供給先の海外展開に歩調を合わせるパターンから、コスト競争力強化のため中国、東南アジアに進出する企業などその動機は多様であった。また、海外進出の経験が少ない企業も多くみられ、海外子会社への技術ないし知識移転で苦慮している企業も散見されると同時に、その問題とも絡み海外子会社統括においては技術移転の必要性、取引先でも日系企業が多く調整の必要性から日本人を多く現地に派遣するという直接的コントロールの特徴がみられた。現在、現地におけるビジネス関係が当該子会社のケイパビリティ向上にどのような影響を与えるのか、そしてそのことが海外子会社統括とどのような関係にあるのかを解析した。
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