2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530330
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
馬 駿 University of Toyama, 経済学部, 教授 (00303206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 星源 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (10304081)
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Keywords | イノベーション / 中国 / 制造企業 / 研究開発 / 外部労働市場 / プロジェクト管理 / 技術人材 |
Research Abstract |
本研究の目的は、イノベーションのガバナンス、組織形態、プロセスといった3つの視点から、中国の製造業におけるイノベーション活動を企業レベルで分析を行い、中国企業のイノベーション活動についての特徴に関する仮説を検証しようとするところにある。 そのため、今年度では我々が中国の自動車企業に対してアンケート調査を実施した。その結果を分析し、おもに次の結論を得た。 第1に、中国企業のイノベーション活動は、全体的に製品の生産技術を改善し、生産効率をアップしたり、製品の品質を高めたりする活動に集中している。第2に、イノベーション活動を担う人材は主に企業内部で育成することは全体的な特徴であるが、コアの技術人材の外部からの採用も積極的である。またイノベーション活動のプロセスよりイノベーション活動の結果を重視している。第3に、全体的にイノベーション能力は導入された技術を消化することができるようなレベルに達しでいるが、自社の知的所有権を主としている製品を開発することのできるレベルに達している企業が少ない。第4に、中国企業では、技術職の従業員をできるだけ研究開発に配置することにしている。そして、技術開発の仕事も研究開発部門に集中しており、技術者の技能範囲は非常に狭いのではないかと考えられる。第5に、企業の持続的競争力を維持するための技術力を高めるために、おもに技術者の企業での地位を管理職と同じ水準か、それ以上の水準に向上させるように努力している。そして、技術者の働く意欲を高めるために、技術職の地位を高めるだけではなく、昇進・昇給プロセスの透明性を保障する制度が多くの企業に導入されている。
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Research Products
(1 results)