2010 Fiscal Year Annual Research Report
職場を蝕む「裸の王様」症候群の解明-仕事のスムーズな「流れ」への一考察-
Project/Area Number |
19530335
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
築達 延征 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 准教授 (50255238)
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Keywords | ワークフロー / オートポイエーシス / コーディネーション / 仕組み / 現象学 |
Research Abstract |
当該年度の前半は、国際学会で発表する論文の準備に費やした。昨年度の成果をまとめた論文をAcademy of Management Conference 2010で発表するべく、査読審査に投稿していたが、査読審査を通過したという連絡が2010年3月にあった。その後、プレゼンテーションの準備をした。2010年8月、カナダ・モントリオールで開催されたAcademy of Management Conference 2010で論文を発表した。その後、英語圏のカナダ西海岸に位置するバンクーバーに立ち寄り、ブリティッシュ・コロンビア大学の付属図書館にて資料文献収集を行った。 当該年度後半は、ブリティッシュ・コロンビア大学で資料文献収集を行った論文を熟読し、整理した。主に、オートポイエーシスの提唱者であるMaturana & Varelaの原典に戻って、熟読した。その結果、これまでの社会科学・行動科学・経営学等で語られているオートポイエーシスは、かなり拡大解釈され、デフォルメされ、まったく別の用語で議論されていることが分かった。また、本研究のテーマである職場でのスムーズな流れは、オートポイエーシスが人間社会で起こりえる現象であることも突き止めた。裸の王様症候群とは、オートポイエーシスが人間社会で正常に機能しない場合に発生するメカニズムであることも分かった。正常に機能しない原因は、現象学により分析できることも分かった。文献研究を受け、質的調査によって概念化したものとオートポイエーシス理論との整合性をチェックした。その後、Academy of Management Conference 2010での発表時の質疑応答を考慮に入れ、結果を論文にまとめた。現在、国際レフェリー・ジャーナルの査読に投稿中である。
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Research Products
(1 results)