2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本型自動車流通システムの研究-e-SCM視点によるモデル化とグローバル化の評価
Project/Area Number |
19530336
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村松 潤一 Hiroshima University, 大学院・社会科学研究科, 教授 (30182132)
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Keywords | 経営学 / 自動車流通 / 情報化 / グローバル化 |
Research Abstract |
最終年度の研究課題は、「e-SCM視点による日本型自動車流通システムのモデル化」と「日本型自動車流通システムのグローバル化の評価」にあった。この研究課題に応えるために、日系自動車メーカー4社の中国での展開について、本社及び現地での調査を試みた。それによれば、本年度の研究成果は次のように纏められる。e-SCM視点によれば、その先端に位置する消費者(顧客)は、内部化されるものとして扱われるが、本研究では、BtoBとBtoCの議論を同列に理解しておらず、各々において鍵となる概念は統合、創造(価値共創)である。したがって、メーカー、デイーラー、消費者(顧客)の関係においては、メーカー・ディーラー間が統合、ディーラー・消費者(顧客)間が創造(価値共創)によってそれら関係が構築・維持される。つまり、ディーラーを統合したメーカーによって、いわばBtoCという形で日本型自動車流通システムが成立している。しかし、その際に対消費者(顧客)間において、必ずしも価値共創が機能しているわけではない。次に、グローバル市場中国でこのモデルを移転度及び普及度という視点から評価した。それによれば、日系自動車メーカー各社において、わが国の自動車流通システムがそのまま移転している場合と、そうではなく、いわゆる卸機能がディストリビューターという形で外部化されている場合があることが明らかとなった。また、普及度という点からすれば、何れの形態もそれぞれに標準化されたものが提示されており、日系自動車メーカーが中国で展開する自動車流通システムは、各社どちらかの形態が基本的に普及していること、また、そうした日本型自動車流通システムの中国市場全体に占める割合は、日系自動車メーカーの中国におけるシェア以上に普及する方向にあることも明らかとなった。
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