2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域大学に有効なイノベーションシステムとそのマネジメントモデルの開発に関する研究
Project/Area Number |
19530338
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
松尾 純廣 Oita University, 経済学部, 教授 (50181699)
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Keywords | 経営学 / イノベーション / 研究開発 / 地域大学 / テクノロジーマーケティング / イノベーションプロジェクト / パートナーリング / コンパクトモデル |
Research Abstract |
本研究の課題は、主にMITを筆頭に国際的な先進地の一つである米国ボストンの大手、中小各大学の事例の調査を参考として、(1)大学のイノベーションシステムとくに研究(開発)と(製品)開発、市場化の具体的・実際的プロセスを明らかにし、(2)そのプロセスを踏まえて地域大学に適した効果的・効率的なマネジメントモデル(イノベーションマネジメント)を開発することであった。その成果は次の通りである。(1)に関して。ShaneのMITのUniversity Spin-offsに関する議論を参考とすれば「原理の検証」と「プロトタイプ開発」の間のプロセスが最大の問題であるが、そのプロセスは研究と開発におけるマーケット・インのプロセス(テクノロジーマーケティングの領域)とベクトルの違う研究と開発を結び付けるプロセス(イノベーション・プロジェクトの領域)の2つのプロセスで構成されること、また、それを担う大学の機関としては米国では各種「センター」(出川通)およびインキュベータが機能していることを明らかにした。(2)に関して。(1)の2つのプロセスが機能するためには、技術移転をめぐる「移転領域」(Schmitt=渡辺俊哉)と企業の「吸収能力」(Cohen & Levinthal)の問題を調整し大学-企業間のマッチングを有効化するパートナーシップのマネジメント(Partnering)が必要である。それにはMITの(スポンサード)リサーチのマネジメントのような「システムとしてのマネジメント」が効果的なモデルであり、地域中小大学においてはそのコンパクトモデルが有効であることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)