2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530339
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
薄上 二郎 Oita University, 経済学部, 教授 (00289985)
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Keywords | 入社前研修 / 人的資本 / SNS / 人的資本管理 |
Research Abstract |
研究目的と意義:入社前研修とは,内定者(学生)を対象とした雇用側主催の教育訓練を指す。4月入社の学生を対象とした入社前研修でいえば,一般的に卒業前の半年間(10月初旬から3月末の間)に実施される。Eラーニング,集合研修,実務研修,公的資格取得支援などが該当する。現在,入社前研修は,学生・企業・大学にとって賛否両論が入り乱れている状況にある。このテーマの研究意義としては,今後の大学の就職支援や企業の新入社員教育のあり方についてその方向性を示すことが可能になる点である。 具体的内容:2009年11月~12月にかけて,金融機関を対象として入社前研修の実施状況や効果を明らかにするためにインターネット調査を行った。対象は,2010年度4月入社の学生向け入社前研修である。合計誌社の金融機関(証券会社など)から回答があり,次のような実態が明らかになった。 ・ 入社前研修は,内定者のモチベーションを維持するためと,入社辞退を回避するために実施される傾向ゆが強い。 ・ SNS(内定者のソーシアルネットワークサービス)の実施率は低い。実施しているところは内定者の不安の解消が主な目的である。 ・ 入社前研修を実施している金融機関は,内定期間中に公的資格の取得支援には積極的である。仕事のとの関連が深い公的資格(証券外務員2種やフィナンシャルプランラーの取得支援)を積極的に行っている。 ・ 入社前研修の効果として,人間関係の維持,モチベーションの維持,入社辞退率の低減に対する効果期待が大きい。一方,専門ビジネススキルなどへの効果期待は薄い。 ・ 問題点としては,雇用側のコスト負担増,内定者との時間調整の困難性,研修中における内定者への賃金・手当の不透明さなどの回答割合が高かった。
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Research Products
(1 results)