2007 Fiscal Year Annual Research Report
CSR経営におけるフロー体験と倫理的リーダーシップとの関係についての研究
Project/Area Number |
19530342
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
潜道 文子 Takasaki City University of Economics, 経済学部, 准教授 (60277754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊治 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (00063701)
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Keywords | CSR経営 / フロー / 倫理的価値 / 戦略的社会性 |
Research Abstract |
労働者が仕事をする際に得られる、楽しさ、達成感、成長感などの内発的報酬の視点から、労働者が企業に期待している労働のあり方、仕事に内在する価値、労働者が内発的報酬を獲得するための条件、およびCSR経営が内包する意義について、フロー理論を用いて分析を行った。 仕事をフロー活動にする試みにおいては、成果主義報酬制度などは、労働者が個人として仕事の正確なフィードバックを得るため、そして、労働者にとって適度な挑戦の機会を創造するためのツールとしての位置づけが望ましい。そのツールが、仕事をフロー活動にするための推進役を果たし、仕事がフロー活動となれば、生産性が向上する。「労働者を中心とする戦略的CSR経営」は、労働者に内発的報酬を提供するばかりではく、企業にとっても社会とのつながりや信頼関係を構築し、社会的価値の創造と実現を図りつつ、競争力確立のための持続的努力を行える組織への自らを変革する機会を提供するものとなりえる。 また、中国・上海におけるインタビュー調査の結果、現在の中国における労働者に関わる大きな問題として、これまでの社会的変動を背景とする、確固たる労働における価値観をもちにくい状況にあることがあげられる。その結果、自己の経済的利益に大きな関心が生まれることとなり、職場での成果主義的報酬をめぐる激しい競争、キャリア形成の失敗などが増加している。管理職をはじめとするよい人材の育成は急務であり、今後の中国経済の成長にも大きな影響を与える課題といえよう。 さらに、日本においては、CSRに基盤とした経営を行おうとする企業が増加しているが、このような傾向は、企業倫理の進化と関連があろう。しかし、明治時代、さらには、江戸時代にもCSR経営に挑戦していた企業もある。
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Research Products
(5 results)