2007 Fiscal Year Annual Research Report
起業家の行為プロセスに基づいたスタートアップ支援に関する研究
Project/Area Number |
19530343
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
稲垣 京輔 Yokohama City University, 国際総合科学研究科, 准教授 (10327140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 仁一郎 香川大学, 経済学部, 准教授 (40325311)
高橋 勅徳 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (70352482)
宇田 忠司 北海道大学, 経済学研究科, 講師 (80431378)
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Keywords | 起業家チーム / 制度的埋め込み / 起業家の行為 / 制度的起業 / 事業空間マップ / インキュベーション / 大学発ベンチャー / クリエイター |
Research Abstract |
本研究では、創業支援組織に入居する起業家や大学発ベンチャーにおける起業家の行為連鎖に着目しながら、新しい事業創造とスタートアップのプロセスについて明らかにしている。今年度は、各自がフィールド調査をおこない、次の3つの点が明らかになった。 第一に、山田の研究からは、大学発ベンチャーの組織において新技術の事業化のプロセスにおいては、事業コンセプトの創造自体が正統化の活動としての意味を持っており、外部の資源動員だけではなく組織内部の確立に寄与している、ということが明らかになりつつある。第二に、高橋と宇田の研究からは、起業家が、そもそもイノベーションを意図したり、制度的なしがらみからフリーな存在として生まれるのではなく、むしろ制度的慣行に従った日常的なルーチンの実践の中で生じた疑問や問題が、起業という手段を通じて、再構成されていくことを明らかにした。とりわけ本研究では、インキュベーション施設の中で、入居者である起業家がどのように既存の制度的枠組みを再構成するかについて明らかにしている。稲垣の研究はこれを受けて、地域に制度的に根付いていない企業が、気付き、再認識をもとにして、どのように地域の他の企業との関係を取り結んでいるかについて、極めて充実したインタビューのデータを蓄積しつつある。インキュベーションに入居している企業の経営者が描く地理的な事業空間を可視化し、空間を再構成することによって地域コンテクストが形成されることが明らかになりつつある。
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Research Products
(8 results)