2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19530360
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
田路 則子 Hosei University, 経営学部, 准教授 (00322587)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朱 頴 跡見学園女子大学, 経営学部, 准教授 (50334610)
|
Keywords | ハイテク / 起業 / Uターン / キャリア / 人的ネットワーク |
Research Abstract |
中国では大企業の雇用が少ないために起業活動が活発化しやすい。北京の精華大学は,インキュベーション施設に投資を行い,アカデミックスピンオフを制度的に生み出そうとする仕組みがあるが,天津大学の場合は,柔軟に大学人の兼業を認めたり,大学の研究室を自由に使用させる等,臨機応変な支援がみられた。Uターン人材による起業は多くみられたが,ハイテクというよりは,ソフトウエアのオフショア開発や大企業をサポートするサービス企業が多い。留学先には,米国以外には日本が目立った。 日本における起業は,大企業による雇用の受け皿が広いために低調である。20代から30代の起業は極めて少ない。技術出身者がCEOとCTOを兼任するスタートアップは戦略性に欠ける傾向がある。その中で,半導体ウェーハの検査装置で成功したRAYTEXは,非技術糸のCEOが営業面とビジネスモデルの構築で能力を発揮しており,戦略が技術に先んじることを示した好例であった。製品開発は非正規雇用の人材によってなされ,新しい製品ブインの追加は,外部から事業を買収して行った。 日本の大企業で長期間勤務しながらキャリアのマネジリアル・ラダーを登る技術系の人材は,OJTと自力でマネジメント・スキルを身につけて組織を統括している。彼らのラダーの選択は,他者よりも相対的にマネジメント職にふさわしいと自覚したことや,周囲からの期待に応えることが要因になっており,状況依存的であることがわかった。
|